My Life is Yoga5 “物に振り回されずに生きていく!”
本当に欲しいものを見失わないために、余計な物を持たない生き方をYogaで実践しましょう。
『YogaSutra(ヨーガスートラ)』の教えより学ぶ“物に依存しない生き方”
「アパリグラハअपरिग्रह(貪らない、慎みを知る)」<ヤマ>
「サントーシャसंतोष (満足すること、足るを知ること)」<ニヤマ>
☆
余計な物があるなら持たないようにする。
振り回され気味のものがあったら整理する。
先週は、毎日の実践Yogaとして、この2つをやってみようということになりましたね。
片づけやメンテに必要以上に貴重な時間を取られてはいませんか?
買おうかな?捨てようかな?ということばっかり考えて、
脳のキャパシティーを奪われてはいませんかねぇ?
ネットショップについ夢中になって、睡眠時間や大事な人と過ごしたい貴重な時間とエネルギーを取られたりしてはいませんか?
物をあれこれすることに夢中になって、本当に大事なことに費やす時間が充分にとれなくなってしまうことがあります。
・・・
こういうことが、“物に煩わされている”という現象に他なりませんね。
物に心も時間も取られた結果、
自分のための自由な時間が取れない。
やるべきことを見失ってしまっている。
だとしたら、
なんも悲劇ですなぁ
「あーあ、今日もまた無駄にしてしまった、トホホホ・・
もうこんな状況から脱け出したいよー」
・・沢山の物に囲まれていながら、心が渇いている。
贅沢な生活のようにみえるのに、どこか空しい。
ちっとも満たされていないように思う。
沢山持っても次が、次が欲しくなる。
そんな悲劇から脱出するためには、考え方をちょっと改めてみることが出口への鍵となるかもしれません。
正しく伝統的なYogaの考えを、自分の生活に取り入れ、Yogaを実践してみること。
Yogaの考え方を毎日の生活に取り入れる結果、
望まぬ事態に陥らないようにすることができると、そう思うのです。
教えを学ぶことによって、欲望に突き動かされ、貪欲に、ガツガツ、ガサガサした心を改めてみるということがきっと可能になるはずです。
☆
その
Yogaの正しい教えを教えてくれているのが経典『YogaSutra(ヨーガスートラ)』。
そこには、
<ヤマ>という
Yogaに生きるために<守るべき大事なコンセプト>が5つ、
そして<ニヤマ>という
<成長のために身につけたい考え方や習慣>が5つあります。
この2つを今日はみてみましょう。
Yogaライフで守るべき5つの約束事<ヤマ>の1つ。
「アパリグラハअपरिग्रह(貪らない、慎みを知る)」
ガツガツしないで、いつも上品に、慎みと余裕をもっていましょう~
ということです。
自分を冷静にみて、なんかガツガツしているな~と思った時に、この教えは効いてきます。
自分の中に貪欲さをみたら、どうすればいいか?
まずは、
「おおいかん!今、自分、ガッついております・・」
と思ったら、その事実を否定しないこと。
「ガッついた自分は、ありえない!認めない!ダメダメだー」
とか思わないこと。
素直に「ああ、今日もなんかの理由で、心の貪欲が暴れているよな・・」
くらいにサラッと認めること。
で、事実を認めることができたら、しかるべき態度に改めること。
しかるべき態度とは、
自分のやっていることにOKといえる、納得できる態度のことです。
あとで、
「あれはさすがに、やりすぎた!」とか「あんなことしなければよかった」
と思わないことをする。
後悔や自責にならないように行いを慎み、自分で自分を認められる範囲でいつも行動することを心がけるということ。
欲しい気持ちに突き動かされてしまっている貪欲な行いがあることは、否定しない。
でもそういう事をしている自分を一歩引いて冷静にみることです。
そうやって、暴れん坊の貪欲さを落ち着かせてみるのです。
そんなこと、どうして可能に??
と思う時は
「来るべきもの、必要な物は必ずくる、必要のないものは来ない。」
という自然界のルールを見直してみましょう。
☆
思えば、私達はみんな何も持たず、裸んぼうである日突然世界にやってきましたよ。
ええ、ホント、手ぶらでね、フラーっとやってきました。
その時から今までずーっと、世界に必要なものを贈られてきました。
食べ物や服、家族や友達、勉強道具や先生、学校にいくチャンスや仕事。
心の成長のために必要な喜びや悲しみ、苦しみや達成感、涙を流す体験や大笑いする経験も全部与えられてきました。
この事実は、変わりません。
今までもそうでしたし、これからの未来も、私達に必要な物はその都度世界から贈られてくることになっている。
未来を何も心配しなくてもいいし、しても仕方ありません。
あるべき未来が時間と共に、自分の元にやってくるだけです。
自然の法則はなるようにしかならないもの。
聖典にいわせれば、過去にしてきた行い=カルマの結果だけが今になっているというのです。
何一つとして偶然もなければ、無意味なこともありません。
今という瞬間を連続して生きているだけ、それが私達の毎日です。
だから、不安になっても意味がないし、
与えられている物以外を手に入れようとして前のめりになる必要もない。
「自分には、いつだって必要な物が与えられている。ガツガツいかなくても、必要な物は向こうからやってくる」
というのが世界の原則。
貪欲にかられたり、他人を羨ましく妬ましく思ったりするときは、この原則に思いっきり委ねてしまいましょう。そうするととてもラクチン。
自分の内ならどうにもしがたい強烈な貪欲さやプレッシャーをみたら、
「まあ、焦らなくても、自然がなんとかしてくれるナ。それに従おう。
自分の必要のために来た物、来る物、そして今ある物を大事にしよう。」
「どんなものも、手に入れることができるか?
なんてことは、自分にはわからないし、自分にはそんな責任もない」
といって、自分のことと思っていた責任を放り投げ、世界にすべて任せてしまいます。
そうして、欲しい物がくれば喜べばいい。
もし手に入らなくても、失敗したとか努力不足とか思わないで、「まーしかたないな」とあっさり事実を引き受けて、もう気にしない。
物が来るとか、来ないとか、そんなことは、私にはちっともコントロールできないこと。
それは、世界がすること。
だから、欲望が沸いても焦らない。
叶うモノは叶う。来るべきものは来る。
そうやって、貪欲や責任を「ていっ!」
っと世界に放り投げる。
間違っても
「なんで私はこんなに貪欲なんだろう?
どうして嫉妬に苦しむのだろう?
もしかして、自分は薄汚く、愚かな人間なのかもしれない」
なんて、
自己卑下しないこと。
自分を責めてもいいことありませんからね~・
変えられないことを、ウダウダ考えることには意味もなければ、自分にも他人にも、環境にも悪いですので。
それよりも、今、自分に与えられている物、状況、人々、自分の体・性格・能力、資格、仕事や学び・・etc
それらを抵抗せず受け入れる。
抵抗や責めることをやめてしまう。
無抵抗に、あっさり、与えられたもの、これから与えてくれるものを受けいれ感謝する。
あえて何かをガッツリ得ようとせず、
何かに成ろうとせず、
世界の巡りに身を任せ、必要な物が充分与えられている自分に満足すること。
そうして心穏やかに、さっぱり自分のあるままを認めてしまうと、心は静まってしまいます。
しかも、楽々。
“自分は充分、足りている”
ということを知ること。
なんでもかんでも掴んで、必要のない物まで自分の物にしておこうとする「パリグラハ(貪欲)」という欲望の魔力から離れ、
「アパリグラハ(ガツガツしない)」という気高い精神で
心静かにゆったり寛いでいることが、Yogaに生きるということですね。
☆
顔や体が違うように、この世界でこなすべき役目は人それぞれ、生物それぞれによって違います。
人には人の生き方、牛には牛の、魚や鳥や虫にもそれぞれの役目があり、1つ1つの命が自分の役目をこなすことで、世界が動いているのです。
私達はみんな、ドラマのようなこの世界に役目をもって生れ、その役をきっちり果たすことで世界の流れに貢献しています。
だから他の人と自分の役割が違うのは当然。
持っている物も能力も資格も、性格も体も、環境も、状況も違うのは自然なこと。
しかし、それぞれ違いはあるけれど、
各自に必要な物がいつも与えられているということは、誰にも共通する原理。
私達は世界に与えられた“体”という、よくできた衣装を着て、
役を果たすために必要な小道具をもち、
環境という壮大な装置の中で、
世界のシナリオに身をまかせながら、日々ドラマに参加している。
それが、生きるということだと経典はいうのです。
役にそぐわない物を持つ必要もなければ、
役と関係ない何者かに成る必要はありません。
それは不可能なことだし、意味がないことだという冷静な見極めをもつこと。
世界というダイナミックなドラマの中で、今ある自分の役割を引き受けて、
自分と自分に与えられているものに満たされていることを知り、穏やかに日々を生きること。
それが苦悩に引きずりまわされない、「自由な生き方=Yogaの生き方」ということなのです。
謙虚で賢いYogaの精神について『YogaSutra(ヨーガスートラ)』は教えています。
それがYogaの5つの心構えと持つべき習慣<ニヤマ>の1つ。
「サントーシャसंतोष (自分に満足する、足るを知ること)」
☆
Yogaを日々実践するにあたって、大事にしたい2つのコンセプト
「アパリグラハअपरिग्रह(貪らない、慎みを知る)」
「サントーシャसंतोष (自分に満足する、足るを知ること)」
私達が毎日物や人と接し、生活する上で、常に心に留めておく必要がある教えですね。
今から少しずつ、物に振り回されるような生き方を、
自由で寛いだ生き方に変えていくために
『YogaSutra(ヨーガスートラ)』の教えがベースにある志高い生き方を今から実践していきましょう。
心に常にゆとりと遊びを持ち、
穏やかで豊かに成熟したYogaの精神を身につけてゆきたいものです。
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先週ご紹介した「新しい建物を見守るかぼちゃなあいつ」
あれから1ヶ月経つのに、しぼんでも、ひしゃげてもいません。
うーむ、強い。
いつも扉をくぐる度に目があうのです。
ほら、もう何をしても「あいつ」しか目にはいらない・・
| 向井田みお | 固定リンク
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