生き方をYogaにしよう。『バガヴァッドギーター』から学ぶ“動くこと、働くこと”について。(6章_17)
先週は、『バガヴァッドギーター』からYogaを成功させるために大切なこと“食べること、眠ること”
について学びましたね。
Yogaを達成するためには、程良く食べ、程良く眠ること。
“食べすぎも、眠り過ぎもYogaには相応しくない。
逆に
食べなさすぎ、眠らなさすぎではYogaはできない。“
ほどよく、ほどほどに。
と経典は教えています。
ブッダの教えにもある“中庸”、ということが、Yogaでも大事ということが、経典にもしっかり記されているのですね~
ちなみに、どれだけ食べるのか?ということはよくわかりましたが、
「一体どんな食べ物がYogaに適しているのか?」
その“質”も気になるところです。
それも実は『バガヴァッドギーター』に書かれています。
どんな食べ物がYoga的な食べ物か?17章_8
आयुःसत्त्वबलारोग्यसुखप्रीतिविवर्धनाः ।
रस्याः स्निग्धाः स्थिरा हृद्या आहाराः सात्त्विकप्रियाः ॥१७- ८॥
【詩篇の意味】
新鮮で、ジューシーで、みずみずしく、適度にオイルを含み、なめらかで、美味しく、清潔で、
見た目もキレイな食べ物は、生物の生命を伸ばし、知力を養い、心と体を強く健やかにする。
そんな食べ物は、Yogaを志す人々に好まれる。
☆
『ヴェーダ(聖典)』は、“大地が育んだ物、それが食べ物である”と言います。
だから、Yogaに相応しい食べ物は基本的に“ベジタリアンフード(菜食)”。
大地から直接生えてくるものが“食べ物”だというのです。
新鮮な穀物や種、野菜、果物こそが、Yogaの考えを刻んだ聖典と経典が言う食べ物。
それにプラスして、ミルクや木の蜜なども“新鮮でなめらかで、おいしい
”Yoga的ライフに相応しい食べ物とされます。
それらを程よく、しっかり食べることで、強くしなやかな体がつくり、シャープなマインドがメンテナンスできる!
Yogaが達成できるようになる、というのです。
聖典は、
“どんなに気取った言い方をしても、生物の死骸に他ならない肉、魚、卵は避けるように。
それらは体と心を重たくしてしまうし、食べるために殺すことは「パーパपाप(不徳)」を招いてしまう。
また、匂いの強い食べ物や人を酔わせるものは、Yogaに相応しからぬ食べ物であるから、
食さない方がよろしいですよ。”
ともいっています。
☆
さて、ここから今日の本題。
どう動き、どう働くことがYogaなのか? ということを見てみましょう。
『バガヴァッドギーター』6章_17 Yoga的ライフ、動くこと、働くこと
【サンスクリット語原文】
युक्ताहारविहारस्य युक्तचेष्टस्य कर्मसु ।
युक्तस्वप्नावबोधस्य योगो भवति दुःखहा ॥६- १७॥
【読み方と意味】
युक्ताहारविहारस्य ユクターハーラ ヴィハーラッシャ
程良く食べ、程良く休む人
युक्तचेष्टस्य कर्मसु ।ユクタチェーシュタッシャ カルマス
行いにおいては注意を払い、程良く動き、
युक्तस्वप्नावबोधस्य ユクタソヴァプナーヴァボーッダッシャ
程良く眠り、程良く働く人。
योगो भवति दुःखहा ॥६- १७॥ヨーゴー バヴァティ ドゥッカハー
そういう人にとって、Yogaや瞑想は
“望まないこと=苦しみや悲しみ”を破壊する手段となる。
☆☆☆
先週お伝えしたとおり、Yogaや瞑想の目的は、「モークシャमोक्ष(悟り・自由)」
つまり“自由になること”。
一体何からの自由?でしょう?
それは、肉体と心の苦痛、病気や怪我、苦悩、怒り、悩み、悲しみ・・・といった
私たちが望まないこと=「ドゥッカदु:ख(苦悩、望まないこと)」からの自由!
苦痛を避けるために私たちが毎日の生き方の中で実行できること。
その手段と方法が、Yoga。
だから、食べることや、眠ることすら、心がけ次第でYogaになるのですね。
心を常に達成したいことに向けて、日々の積み重ねを丁寧にする、
それが生き方をYogaにするということ。
その心がけによって、“動くこと、働くこと”自体がYogaとなる、というのです。
ここから、Yogaマットの上で、体をくにゃくにゃさせることだけが、Yogaとは限らない!
ということが解ります。
「ユクタチェーシュタयुक्तचेष्ट(行いを注意深くすること)」
何気ないことでも、だらだらとせず、逆に慌てて大暴れ状態?!になることなく、
意識的にすること。
歩くこと、動くこと、電車にのったり、服を着たり、お風呂に入ったり、買い物をしたり、誰かと話したり・・
そういう毎日する動きも、だらしなくならないように、ガツガツしないように、自分の立ち居振る舞いを見守り、
注意を払い、きちんとしていこうという心がけることが動きのYoga。
そして、
“程良く働くこと”
もまたYoga。
働きすぎのワーカホリックも、働かなさすぎの怠け者もYogaをする「ヨーギーयोगी(Yogaの実践者、達人)」とはい
えない。
やるべき事、自分の為すべき事をわきまえ、見極めて、責任を持って実行すること。
そうしてちゃんと働いたら、ちゃんと休む。
疲れを残さず、ある程度リラックスできる時間をとることも大事なことだと教えてくれています。
脇目もふらずガンガン行きすぎること、
逆に
だらり~ん、ぼや~として行いや働きをしないこと、どちらの両極端もYogaとはいえないということ。
当たり前のようにみえることだけど、ついうっかり心の中の
「やらねば!」
というプレッシャーや
「やめちゃおう」
という怠け心に操られて、私たちは度が過ぎてしまうことしがち。
その辺りを、諭して導いてくれているのが、『バガヴァッドギーター』経典の言葉、つまりYogaの教えなのです。
今回の詩も日常の中でつい忘れそうな時に、心に刻むように唱えて
Yoga的ライフを続けていきたいですね!
こちらも、Ituneで聞けるように、準備しますので、お楽しみ。
また来週も一緒に学びましょう!
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突然ですが、8月1日から5日まで日本に一時帰国することにしましたよ。
今毎日インドで学んでいることをお伝えし、一緒にYogaを深めていくチャンスをつくってもらえることになりました。
『バガヴァッドギーター』の中で特に大事な教え、
私たちが毎日の生活、生き方の中で実践できる教えを
サンスクリット語の原文から学んでいく、
という事を試みたいと思っています。
8月2日(木)は『ウパニシャッド(奥義書、ヴェーダ聖典の最終的な教え)』の教えを学ぶ、
8月5日(日)は、『バガヴァッドギーター』
を見ていく予定です。
そして、8月2,3,4日の早朝は瞑想。
詳しくはこちら
http://www.underthelight.jp/news/2012/07/825_yoga.html
お時間があれば、ぜひ!
その際ご質問やいつも謎に思っていることなども直接教えていただければ、本当に嬉しいです。
ではでは~
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象が出た!!
早朝のお寺でマントラを皆で唱えていると、突然
「パオーン」
という音。
??
と
思って皆で音の方をみると、なんと象。
しかも6匹
野生の象のファミリーがお寺に出現しました。
皆が走る後ろ姿を、お寺で激写
いやいや、
ここは、野生の象がでるほどの山奥だったんですな。
あらためて、
最近ネットも繋がるし、調子がいい時は動画もネットで見れたりもするので、ついうっかりしとりました。
野生の動物は、人にこびない。
己のやりたいように生きている。
なので、彼らの王国で生きている以上、こちらが気をつけて生きねばなりませんな。
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