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2012年6月25日 (月)

『バガヴァッドギーター』の言葉_ 自分は自分の最高の友となる。しかし、自分は最大の敵ともなる

前回


“自分の事は、自分で励まし、自分であげていくべきだ。
自分自身だけが、自分の本当の友となる。

自分を蔑んだり、見下したりしてはいけない。
自分自身だけが、自分自身の敵にもなる。“
『バガヴァッドギーター』6章‐5

という詩を読んでいきましたね。


落ち込みそうになった時、

自分の志気が下がっているな、と感じる時、

そんな自分を盛り上げていくのは自分しかいない!

どんな時も自分を見下したり、責めたりしてはいけない。


ちょっと頑張ってでも、顔をあげて、いつも自分に誇らしくしていよう。
 


そうやって、自分を上手にコントロールができるようになるのが、Yogaの力なんですな!

ほっほっほっ~


さてさて、これに関連した詩篇として、

今日はこの次の詩をみてみましょう。



『バガヴァッドギーター』6章詩篇6


【サンスクリット語原文】

बन्धुरात्मात्मनस्तस्य येनात्मैवात्मना जितः ।
अनात्मनस्तु शत्रुत्वे वर्तेतात्मैव शत्रुवत् ॥६- ६॥


【読み方】


बन्धुरात्मात्मनस्तस्य bandhurAtmAtmanastasyaバンドゥラートマートマナスタッシャ

येनात्मैवात्मना जितः ।yenAtmaivAtmanA jitahaイェーナートマイヴァートマナー ジタハ

अनात्मनस्तु शत्रुत्वे anAtmanastu zatrutve アナートマストゥ シャットゥルトヴェー 

वर्तेतात्मैव शत्रुवत् vartatAtmaiva zatruvatヴァルタタートマイヴァ シャットゥルヴァト


【単語の意味】

बन्धु: आत्मा   आत्मन:自分自身は自分の友となる。
तस्य येन आत्मा自分によって
एव आत्मना जितः 自分自身をコントロールできている人にとっては、
अनात्मन: तु शत्रुत्वे反対に、自分をコントロールできていない人にとって、
वर्तेत आत्मा एव शत्रुवत्自分は自分自身の最大の敵となる。


【詩篇の意味】

自分を収めることのできる人にとって、自分自身は最高の友となる。

反対に自分をコントロールできない人にとって自分自身は最大の敵となる。


For that (self) who has mastered oneself by oneself, the self alone is a friend of oneself. Whereas, for the self who has not mastered oneself, the self alone would remain in the status of an enemy, like an enemy.


Yogaで自分をきちんと収めることができる人。

自分は本当に何が欲しいのか?何が必要なのか?

を知り、そのために努力を惜しまない人。

そういう人にとって、自分は最高の友となる。

日々Yogaに生き、成長することができる人。


「アーサナआसन(姿勢、Yogaのポーズ)」で体を整え、呼吸を整え、

見るもの、聞くもの、話すこと、日々の活動をバランスよく選び、体と心を健やかに保つ。

何が起ころうと、常に心の動きや考え、感情の動きを冷静に、
静かに見ることができる自分を瞑想によって作り上げてゆく。

そういったYogaを日々積み重ねている人にとって、自分自身は自分にとって友となる。

親友のように、自分を助け、
本当に望んでいること=Yogaのゴールである幸せや自由に向かって共に歩んでいくための友達となる。

しかし、逆に、自分を抑えることができず、

周りの状況や物に振り回されてばかりいたら自分は自分の敵ともなる。

自分であることに居心地が悪く、受け入れることができず、

いつも

「早く変わらねば、あれをせねば、これをせねば!」

とあせったり、

「自分の事が許せない!」

なんていってイライラ、モヤモヤして自分を責めてしまったり。

そして、自分を責めるばかりか、

「自分がイライラしているのはきっとアイツのせいだ!」

とか

「落ち着かないのは、うまくいかないのは、あの状況のせいだ」

とか、自分自身に寛ぐことができず、自分であることを受け入れられない時、

私たちは外の物や人を責めたりもしてしまう。

でも、

実は「あれのせい、これのせい、あの人のせい、彼の××が悪い、彼女が○○だからっ。」

と、外の原因を指差して責める時、私たちは自分自身を一番責めている。

ちょうど人差指で何かを示す時、小指、薬指、中指のこの3本は自分自身に向いているように・・



本当の意味で、世界に敵はいない。

と、経典はいう。

敵は自分の中にいる。
敵は自分がつくっている。

自分でいることに心地が悪い、

納得がいかない

自分に不満がある、

だから落ち着かず、何をしても上手くいかない。

そういうことが敵だというのだとしたら、

その原因は、自分にしかないのだ。

たとえ自分を邪魔するように見える人がいても、

自分に嫌味や侮蔑の言葉を投げたり、憎しみや敵意をアカラサマに表してくる人がいても、

それはその人の中の“自分に対する居心地の悪さ”がそうさせているだけだ。

その人にとって自分はたまたま近くにいただけのこと。

自分に不満があり、自分の中に敵をつくっている人の高いプレッシャーが、

たまたま外にいる私たちに向かっているようにみえるだけで、

本当の問題や敵は自分の中だけにある。


“自分でいることが受け入れられない。

自分に満ち足りることができず、

納得がいかないということ。”


それだけが自分にとっての唯一の敵なのだ。


Yogaは自分にも、他人にも、世界にも敵をつくらない。

何が本当の敵なのか?

その正体を見極めるゆとりと理解を身につけ、

敵にみえる者すら受け入れられる、広さと大きさと慈悲と優しさを養い、

真の強さと力を培う術がYoga。


他人を責める前に、

自分を貶める前に、

私たちは自分のことを大事にすることからはじめよう。


世界のせいにする前に、自分のことを自分で大切にしよう。


自分で励まし、自分を整え、

自分を親友のように大事に扱う。


いつも自分でいることに心地良さを覚えられるように。


自分の中に敵をつくらないように。


そのためにYogaをする。


毎日すべきことを丁寧に行い、

体・呼吸・心・感覚・感情・考えに少し繊細になって、優しく、

規律を持って自分とつきあっていく。

初めは思うようにいかなくても、

途中で挫折しそうになっても、

たとえYogaをさぼってしまっても、

もう自分を責める必要はない。


またやればいいだけのこと。

なんどでも自分を見つめて、整えていこうとすればそれでいい。

体が求めることに耳を澄ませ、心の変化をきちんと見ていく。

そうして、一生かけて、

「自分が自分の最高の友達になろう!最高のパートナーでいよう!」

という態度でいれば、きっとYogaは上手くいく。

本来のYogaの意味を達成していくことができる。

やがて、Yogaの道が私たちを生きる目的に、本当に望むことに導いてくれる。

Yogaで自分を大切に。

自分と仲良くする。

目的に向かって道を共に歩む生涯の親友のように


どんな時も掛け替えのない自分に接していきたいものですね~

***


自分を収める人にとって、自分自身は最高の友となる。

反対に自分をコントロールできない人にとって自分自身は最大の敵となる。

『バガヴァッドギーター』6章‐6

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第36代目 シャンカラチャリア 現る!

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このものものしいお出ましは、8世紀に「シヴァशिव」神の化身ともいわれた天才シャンカラチャリアの第36代目が
アシュラムにやってきた日の事。

シャンカラチャリアは、『バガヴァッドギーター』や『ウパニシャッド(奥義書、ヴェーダ聖典の最終的な教え)』に
重要な解説をつけた人。

この人の解説があったからこそ、現在までYogaの教えが伝わり残されてきたとされている、インドでは超重要人物!


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流暢なサンスクリット語と、軽快な英語でのスピーチをしてくれた36代目。

現代のシャンカラは、なかなか貫禄あります。


えらいのに、どこか気さく。

そして、インドの経典に精通している人の共通点は皆”非常にリラックスしている”
ということ。

何十人もの弟子に囲まれ、何百人の信者に囲まれても、

気取りも
緊張も
偉ぶったりもしない。

気さくで、オープンで、明るく、リラックスしていて、ユーモアのセンスがある。

声に力があって、

眼光が鋭い!

これがわたくしのような、ちびっこがみたインドに生きるYoga達人たちの共通点です。


Shankara


| 向井田みお |

2012年6月11日 (月)

Yogaで明るく"自分を自分であげていこう!" 『バガヴァッドギーター』6章5







さて、先週までの記事で

Yogaは宗教じゃない、
Yogaとは自分を自分で高める道。

という事がよくわかりましたねっ。

うん!

 Yogaは自信を持って堂々と生きるための道。

自分を大事に成長させ、
他人を受け入れ、
世界に自分を開け放ち、大きく優しく広い心の人間になるための方法。

素晴らしい知恵なのですなぁ~

んで、

今日は引き続きYoga的経典『バガヴァッドギーター』より、落ち込んだ時の切り抜け方を見てみましょう。

ついつい私たちは失敗して後悔したり、落ち込んだり、
良からぬことが起こったりすると、
子供の時からの癖や習慣で、自分自身を責めたり見下したりしてしまう。

なんでもかんでも起こったことを自分のせいにして、

「なんて、俺はダメな奴なんだ!」

「自分の事が一番許せない!」

とか

「自分はひどい人間だ。こんな自分大嫌いだぁぁぁー」

とか言ってしまいがち。

そして、どんどん落ち込んでいってしまう・・・

でもね。

うっかりしてはいけないよ。

 そんなことしても、前には進めないんだよ。

と、
いうようなことを
『バガヴァッドギーター』はいう。

Yogaはこんな風に落ち込んだり、負のループにはいりそうになった自分を明るく引きあげる術。

Yoga経典『バガヴァッドギーター』は、

私たちが落ち込んだり、悲しくなったり、自暴自棄になりそうな時も

勇気を奮い立たせてくれる言葉をいってくれている。


“自分の事は、自分で励まし、自分であげていくべきだ。

自分自身だけが、自分の本当の友となる。

自分を蔑んだり、見下したりしてはいけない。

自分自身だけが、自分自身の敵にもなる。“

そう。

自分のことは自分であげること。

自分で励まし、盛り上げ、引きあげる。

そうして、前向きにできる限りのことを自分自身にしてあげよう。

失敗しても、とにかく

「これは起こるべくして起こったこと。

そこには必ず原因があり、学びがある。

次に大きな失敗をしないための準備。

さて、何がこんな状況を起こした原因かゆっくりみよう。

そして学ぶことは全部今回学んでしまおう!」

と考える。

誰かに怒られたり、叱られたり、批判されても簡単には落ち込まない。

大丈夫。

私たちには、Yogaがある。

Yoga的にはこう考える。

「うぅ~む、またまた世界に自分が成長できる可能性をみせてもらったな!

おぅっし、ひるまず、今こそどんどん前に進んでいこう。

何でも受け入れられる大っきい人間になるためのチャンスがキテル!!」

と、勇気を奮い起す。

何が起こっても世界には起こるべき事がおこっている。

私たち1人1人には、自分が今生きながら、消化しなければならない「カルマकर्म(行い)」の結果と
成長するための課題がある。

そうやってそれぞれ課題に、為すべき事に立ち向かい、1つずつこなしていくことで日々人間の幅を広げている。

こうやって努力し、成長しきったら、私たちが望む人間、

どんな時も明るく、優しく、広い心で世界にオープンな人

になることができるという。

世界に対して抵抗なく、自分にも他人にも葛藤のない人。

Yogaの経典は、そうやって課題をこなし、成長し、準備が整った人には自然にゴールが訪れるというのだ。

つまり心が浄化された人。

世界と自分自身の真実を受け入れることができるだけの心のゆとりと、

考えの成熟が出来上がった人が、本当の自由の意味を知る。

それがYogaのゴール。Yoga的悟り。

自由に至り、どんな時も明るく、余裕であること。

世界のすべてを、受け入れることができること。

どこにいても、いつでも、だれといても、変わらない。

自由な自分自身でありつづけること。

それが「モークシャमोक्ष(悟り・自由)」という本当の悟りだという。

だから、落ち込みそうになった時こそが、私たちの成長のチャンス。

いろんな可能性を秘めている自分を信じ、自分をいつも高めていけるし、

本当のYogaの力を試すチャンスでもあるのだ。

起こってしまったことに対して、
どんなに自分で自分を責めても、自分を殴っても、落ち込ませても意味がない。

それは仕方ないことなんだ。

それよりも、いつでも誇り高く顔をあげて、自分を次に進ませていこう。

そんなことを経典は教えてくれている。


“自分の事は、自分で励まし、自分であげていくべきだ。
自分自身だけが、自分の本当の友となる。
自分を蔑んだり、見下したりしてはいけない。
自分自身だけが、自分自身の敵にもなる。“

 

『バガヴァッドギーター』6章 詩篇5

उद्धरेदात्मनात्मानं नात्मानमवसादयेत् ।
आत्मैव ह्यात्मनो बन्धुरात्मैव रिपुरात्मनः ॥६- ५

この言葉をいつも胸に、明日もお互い今日より大きくなるためにYogaの道を歩いていきたいもんですね~。

というわけで来週もまたYoga経典『バガヴァッドギーター』の勇気が出る言葉をみてみましょう。

今日紹介した詩篇は原文サンスクリット語で録音しました。

Itune聞いて、何度も口ずさんで、ピンチの度にお互い盛り上がれたら!?いいですね。

ん?

変態なのか?

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先週、

「なにゆえ、Yogaの道を歩んでいるのか?」を語るべし、

という課題が与えられ、2日徹夜で必死で準備した小心者のわたくし。

師匠スワミ・ダヤナンダジの前でなんとか発表を終えることができました。

いやはや、

人前で語るのは、タイヘンなことだ・・

Cimg1809

まあ、まあ、みなさん落ち着いてきてくださいよ、

というジェスチャーの私。

と、その様を見守る師匠の図。

Cimg1807_2 「うー、師匠がこの距離で見てるよ・・」・ キンチョ―しすぎて、キンチョーしていることすらを忘れてしまった中盤のあたくし。 思わず力んで拳を振り上げてスピーチしていたようです。 一体何を口走っていたのか・・ 今となっては、なーんも覚えてません。

| 向井田みお |

2012年6月 2日 (土)

Yogaってなに?_その2_経典『バガヴァッドギーター』より、

・・・先週からの続き


Yogaは宗教じゃない!!


白熱した主張は続きますが、ここでYogaとは一体何か?

あやしげな宗教とは違う説を否定するための根拠となる

Yoga的経典『バガヴァッドギーター』からYogaの定義をみてみましょう。

『バガヴァッドギーター』2章詩篇50

बुद्धियुक्तो जहातीह उभे सुकृतदुष्कृते ।
तस्माद्योगाय युज्यस्व योग: कर्मसु कौशलम् ।।50।।

Buddhiyukto jahAtIha ubhe sukRtkaduSkRte|
tasmAd yofAya yujyasva yogah karmasu kauzalam||

冷静で客観的な考えを持って為すべき事をする者は、人を生死のサイクルに縛るあらゆる「カルマकर्म(行い)」を取り除く。


世界から突き付けられている“為すべき事”を逃げずに、いい訳せずにする。

そして、すべきことをしたその結果を、大きく受け止める。


この態度がその人の日々の生き方をYogaにする。

Yogaとは、

感情や主観に振り回されないまっすぐな態度を養い、

心を浄化し

今ここに起こっていること、すべてに抵抗せず

あるがままを受け止めることができる客観性と人間的な成熟を身につける術なのだ。

Endowed with equanimity, one sheds in this life both good and evil. Therefore, strive for the practice of this Yoga of equanimity. Skill in action lies in (the practice of this) Yoga.(50)

この態度がその人の日々の生き方をYogaにする。

・・・これって宗教やカルトの活動じゃないですよね? 
ね?


スケールが違う!


Yogaは誰の事も縛らない。

誰かを信じ込ませたり、ねじ曲がった教義を押し付けたり、

何かを強制したりもしない。

ましてや、お札やおまじない道具の類を売りつけて、それを持っていれば大丈夫。

なんて無責任なことは言わない。


ただ、人を大きく広い心の人間になるように、人を導く。

強く、優しく、慈悲深く、

人を許し、自分を認め、世界に完全に開け放ち、完璧にリラックスするための術を教える。

私たちが本当に望むこと、

いつも幸せで、明るく、自由であることを叶えるための道を示してくれている。


その道を歩くかどうかは、私たち次第だ。

手足をちゃんと動かし、努力する。

日々自分を整えていくために、毎日をYogaにしていく。


Yogaは自分を成長させる道。

それは自分が一番望むものに繋がっている。


そうして、意志と努力でこの道を歩き、

Yogaによって成長しきった時、

自由も幸せも、目の前に広がっているということを知る。


すべてから解放されている自分を知る。


本当の自由に至る道。

それがYogaなのだ!


☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・☆・・


今回引用した『バガヴァッドギーター』の2章48,50をオリジナルのサンスクリット語で朗読してみました。


読み方と意味と原文のPDFをつけて、近々Ipodで聞いていただけれるよう準備しています。


お楽しみに~

| 向井田みお |

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