Yogaって一体なに?? 経典『バガヴァッドギーター』からYogaを知ろう。
経典がいうYogaとは?
先週、2か月ぶりのブログ更新で勢い余って、
「Yogaは宗教じゃない!
けして怪しいものではござらぬよっ!」
といいいきってしまいましたインドの某mさん。
♨☻☺
「一体何を根拠にそんなことをいうのか?」
「その強気発言を裏付ける何かがあるのかね? ん?」
と迫られた場合に備え、
今日は
Yoga=Not宗教、
Yogaは宗教活動じゃない論
Yogaカルト説をパッツリ否定するべく、
『バガヴァッドギーター』というYogaに関する経典を紐解きながら見てみましょうね。
『バガヴァッドギーター』という、インドに限らず、世界中でよく知られているYoga的経典は
Yogaに関してこんな風に規定している。
『バガヴァッドギーター』2章詩篇48
योगस्थः कुरु कर्माणि सङ्गं त्यक्त्वा धनंजय।
सिद्ध्यसिद्ध्योः समो भूत्वा समत्वं योग उच्यते॥२-४८॥
Yogastha kuru karmANi saGgam tyaktvA dhanamjayA|
Siddyasiddyou samo bhUtvA samatvam yoga uccyate||
アルジュナ君!
キミの心にある「好きとか嫌い」という感情に囚われる事なく、
今まさに世界から自分に与えられていること、それを自分の使命だと受け止め、
常にキミのすべき行いをするのだ!
その自覚をしっかりもって、為すべき事と向き合い、日々の行いをこなすこと。
しなければならないことは、抵抗なく、不満なく、迷いなく、逃げることなくただ行う。
その態度で行いをすることがYogaだ。
さらに、
そうやって行いをしたことによって、もたらされる結果に関してもYogaの態度が必要だ。
結果は、
自分の期待どおりのことが起こるかもしれないし、それ以上の事が起こるかもしれない。
逆に期待はずれのことや、正反対の事が起こる可能性もある。
しかし、どんなことが結果としてキミにもたらされたとしても、
反発したり、憎んだり、抗うことなく、
世界から贈られてきたものだとして、しっかり受け止めることだ。
こんな風に大きく世界から突き付けられる物事を受け止めることができる態度もまたYogaといわれるのだよ。
Arjuna, perform your duties established in Yoga, renouncing attachment, and eventempered in success and failure; envenness of temper is called yoga.(48)
☆
私たちは毎日やるべき事に追われて毎日を過ごしている。
この”為すべき事“は
必ずしも、行いを自分の意志できめているわけではない。
常に世界が今、この場所で、“為すべきこと”を突きつけてくる。
何をするべきか?
それは世界が必要に応じて、絶妙なタイミングで毎瞬私たちに課題として与えてくれている。
それに対して、私たちは課題をこなす様に、すべきことを逃げずにする!
という行いを世界に送り返す。
そうやって私たちは世界と繋がり、どんな瞬間も世界とコミュニケートしている。
この事実を受け止める事。
主観に基づいて
「好きなことだからする!」
「嫌いなことだからやらない」
といって、
行いを選り好みして、客観的な世界とのやり取りにおいて混乱しないように。
好き、嫌いという
感情や主観を肥大させることがないようにする。
「今ここで、自分がするべきことをまっすぐにする。」
という態度で感情や主観にしばられることなく行いをすること。
世界から突き付けられていることを認め、受け止め、
行いをもって世界に応える。
その態度に世界は反応し、
それぞれの行いの結果をもたらす。
この結果も、必然として世界から自分に贈られてきたものとして受け止める。
その態度を経典は、Yogaというのだ。
行いの結果はどれも自分のしたことだけが実を結んでいるという事実を知り、
冷静に、客観的に、抗うことなくうけとめること。
抵抗せず、感情に揺さぶられず、
好き嫌いという主観の間をウロウロせず、
ただただ大きく受け止める。
“受け止めることができる”
という心の大きさ、キャパシティーを養う事もYogaである、と経典はいっている。
行いをYogaにすること、
毎日Yogaの態度で生きていくこと、
そうすることで、
私たちは心を縛る不自由な思いや、
浮き沈みや不満、憎しみ、妬み、怒りといった感情を浄化することができる。
Yogaに生きることが、
私たちを成長させる。
Yogaの態度を常に持ち自覚的に行いをすることが、
心をキレイにし、
大きく広い心と、
人間的な成熟と客観性を養う。
やがて世界が何を突きつけてこようと、
私たちは揺さぶられたり、悩ませられたりすることはなくなる。
悲しみや苦悩を起こしている視野の狭い、閉ざされた主観やこだわりが
Yogaによって整理され、
浄化され、
だから
いつもさっぱりと、開けた明るい心でいることができるのだ。
それこそがYogaの力。
そうして、私たちは常にどんな時も、
自分と世界を理解し、納得し、
リラックスする事ができるようになる。
客観的な考えと、謙虚さと、
どんなことに対しても、抵抗したり、心を荒れ狂わせる事のなく、
落ち着いた態度でいることができる。
そしてそういう自分に自信をもち、堂々と望む態度で世界に生きることができるようになる。
世界にしっかり生きながら、世界に囚われない。
世界と関わりながら、世界に縛られない。
そこまで強く自由でいることができる。
あるべきことだけが、今ここで起こっている。
自分に必要なことだけを世界は常に与え、
自分は世界に応えている。
ただそれだけ。
世界の事実を受け止め、受け入れることがYogaであるのだ。
__________そして、これは、来週へ続くのです~_________
ところで、
日本は今、明日5月21日の日食のことで、すごいことになっているらしい!!?
という噂を
遥か遠いインドの山奥で小耳にはさみましたよ。
日食月食がやたらに多いインド大陸ですが、
今回珍しく、インドからは見えませぬ。
というわけで、明日も淡々と勉強の日々が続くのでしょう私の場合。
129年ぶりの自然現象をどうか私の分も、
見届けてくださいまし。
目にお気をつけて。
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- ヨガ哲学の旅(2010.03.19)