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2011年2月20日 (日)

欲望は持っていい。叶えた方がいい。No.2  逆説的Yogaのすすめ- 欲望をコントロールするとは?2

欲望は持っていい! 叶えた方がいい! 
逆説的Yogaのすすめ- 欲望をコントロールするとは?②


『バガヴァッドギーター』のYogaの師匠クリシュナも人の欲望に関してこんな風にいっています。

「この世界を司る秩序と法則。

“欲望”はそのあまねく広がる大きな法則をダイナミックに動かす力の現れである。

私は“欲望”である。
ただし、この秩序に反することなく望むことができる、という力である。」

何かを望むことができる。
何かを目指すことができる。
何かを追求することができる。


それが迷いや苦しみになったとしても、何かを自分で“選べる”という自由への意志。

それが欲望の真の姿。

経典を正しく紐解く先生の言葉によってこの事実を知り、私はずいぶんホッとしました。


欲望にまみれた自分を責め続けていたこと。
そのプレシャーから人につらく当たったりして緊張感でいっぱい、いっぱいの自分。
さらにそんな自分に罪悪感を感じていること。
そんなキューキューした心に、自由な風がすぅ~っとはいってきたような気持ちよさ。


Yogaっていいなぁ、明るいな~
と思いました。

私たちが何かを選べるということは、その力があるということ。


そして何の意味もなく、こんな偉大な力が備わっているわけではないのです。
人間には、欲望を抱く、何かを望む、選ぶ 理由がある。

その理由と目的についてもYogaの経典はきちんと明かしているのです。


それはまた後でのお楽しみとして。

さて、

この欲望の力はYogaの言葉でいうと、
『Kamaカーマ(望み、欲望)』というパワー。

その力を使い、何かを選択するベースになっているのが、
『Raga Dveshaラーガ・ドヴェーシャ(好きと嫌い)』という思い。


この2つの思いにしたがって、私たちは人間に与えられた特権を駆使して、選ぶことができるのです。


この思いと、力自体はじつにシンプルで、無害。


単純に、
『ラーガ(好き)』という思いから、私たちは何かを手に入れたいと、欲しいと望む。
『ドヴェーシャ(嫌い)』という思いから、私たちは何かを避けたい、と望む。

どちらも「望み」だし、いってみれば「欲望」なのです。


この思いも力も、「人間の特権」だとYogaの経典はいいます。


だから「望める」ということ、「欲望をもてる」ということは、素晴らしいこと。
私たちはいろいろなことを日々望み、そして叶えることができる。

いいですねぇ~


。。ただし!!

その思いと力を、私たちが意志でコントロールできているときは全く問題がありません。

だけど、時に『好き・嫌い』という思いと、『得たい・避けたい』という力が、
逆に私たちをコントロールし始めることがあります。
その時だけが問題だというのです。


『好き・嫌い』のプレッシャーがあまりに高まって、
人として守らねばならぬ秩序と法則=つまり、私たちの良心
これに反してまで、何かを得ようとする、避けようとすると心に矛盾が生じます。

矛盾が私たちの心に違和感を作り、矛盾を抱えることで心は傷ついていきます。
これが悩み、苦しみになる。


そればかりか、この思いと力にあまりにも強く私たちがコントロールされていると、他人を傷つけることになったり、
無理して法則を超えようとする行いが、「犯罪」になったり。


問題になっているのはここなのです。

では、どうすればいいのか?



欲望は何も悪くない。
私たちが自由にその力を使えているうちは。
問題は、私たちが欲望という力に牛耳られてしまう時。

この問題に対してYogaの経典がいうこと。


それは、


「欲望を抑えることは問題の解決ではない。
なぜなら欲望は人間の尊い力だから。

ただ、欲望に自分がハンドルを取られそうになったとき。
良心や人が守らなければならない法則を超えようと人を突き動かそうとする時。

その時は、何としても意志の力で『言葉や行い』を食い止めること。


どんな欲望をもってもいい。

ただ、だれかを何かを傷つけること、この世界の秩序を乱そうとすることは避けなければならない。

そしてそれは可能だ。

それがYogaの規律と力だから。」

問題の解決は

“欲望をおとす”、ことじゃなく、

“欲望に牛耳られ、自分の心と反する行いに駆り立てられる時、いかに踏みとどまれるか?”

ということ。

そこを抑えることができれば、私たちはもっと大胆に自由に生きていくことができる。


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インドの中では、とても近代的なアシュラム内の講義室。
師匠のダヤナンダ師を師を仰ぐ人がインド中から訪れ、お祝いをしております~

| 向井田みお |

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