今より楽になる方法は人それぞれ
長谷川智先生の全6回集中講座『身体を故障させないヨガの学び方・教え方ーーー骨を知ればヨガが深まる』がスタートしました。
骨盤にフォーカスした第1回目も満員盛況。先生のWS初参加の人や男性も増えていたのが今までと違うところです。
私はいつも後方隅っこで聴講していましたが、今回の集中講座ではアシスタントです(といっても特に何もお役に立てませんが。あっ!先生が説明する際、愛しの骨を持たせてもらいます。ww)
前方から、あるいは回遊しながら35人の骨盤の動きを見せていただくのはものすごく勉強になります。大げさじゃなく衝撃でした。
前後屈、股関節の内外旋、左右体側伸ばしなど、ほんの少しのコツで苦手だった方がたちまち楽になる。今回もbefore/afterで長谷川マジックの連続でした。
こうした先生の教えを受けるたび、「うわっ!」と感激した一瞬後に、私はいつも不安にかられています。
ちょっと仙骨を操作するだけでも、前後・左右・裏表のバランスはこんなに整っていくのか!? 意識とコツを学んだ途端、こんなに簡単に人の動きは変わってしまうのか!?
ならば、その整った「ほど良い状態」でストップしておくのがベストではないか?その次にまた右足をど〜たらこ〜たら、左手をこう捻って〜etc.と複雑なポーズを次から次へと続けていくと、せっかく整ったはずのバランスをまた歪ませてしまう、どころか更に歪みを増幅させているのではないか。私がやってるヨガははたして身体にとって良いものだろうか・・・。
この動きで大丈夫か?という疑問に対して、長谷川先生の答えはいつもシンプルそのものです。
「気持ち良かったら大丈夫。気持ち悪かったら大丈夫じゃない」
この考えは、解剖学的な知識に基づいているだけでなく、一番大切な「人によって生まれ持った身体は異なる」という絶対的事実への畏敬とも言えます。
イタ気持ち良さに麻痺してしまうと、AとBでどちらがより気持ちいい?という簡単な体感すら鈍ってしまい、これが歪みの原因となっていきます。まず本当に生き物として自然にハッピーに気持ち良いのはAなのかBなのか、先生と出会って以降、私の学びはそんなところからスタートし直しました。そして学べば学ぶほど、自分が行うヨガへの疑問も増していきます。
部位ごとに分解して自然な動きを、そしてそれらを連動させて全身の自然な動きへと繋げていけば、気持ち良さの延長というか副産物としてパフォーマンスレベルも上がります。どこかに無理なロックをかけたまま不自然な方向へ引っ張りすぎると身体は壊れるに決まっています。
昨年来、私はこうした視点で『ヨーガバイブル』に記載されたポーズを自分なりにひとつずつ検証しています。
まず載ってる中で自分には「ムリっ!」というポーズは除外。ww
残った中でアレコレ探っていくと、今のところ半分以上は解剖学的にも非常に理にかなっており、先人の知恵おそるべし!とあらためて驚嘆。そして、さらに残った中で、まだ半分近くは「???」現在進行形or今後の課題。そしてわずかではありますが数種のポーズに対しては、生意気ながら「これ、ヤバいじゃん」という考えに至っています。
こうした積み重ねは当然ながら私のヨガに反映されていきます。
私のクラスに参加していただく限りは、今の私が最善と考える方法に基づいたレッスン内容を受けていただきます。
しかし一方では、他のスタイルでヨガを行っている人々に対して、随分と考え方が柔軟になりました。そう、今日はむしろコレが言いたいのです。
「気持ち良さ」を追求するという言葉に抵抗をおぼえる人もいるでしょう。ある程度はいばらの道を進まねば「やった感」が足りずにかえって気持ち良くないという人もいます。身体の気持ち良さと心の気持ち良さとの区別or/and釣り合いも人それぞれ。
ヨガをする理由も各人様々。「心身の健康のため」にとどまらず、現在の自分を超えた何かを見出すために厳しい鍛錬を課する人もいます。
以前の私なら、痛みや苦しみと闘いながらヨガをしている人々に対して、「なんて痛々しい!何処へ向かっているのか、どうなりたいのか、なぜそうなれば満足なのか、ヨガでいったい何がしたいのか」理解に苦しんでいました。
でもそのような人達が、要所要所でなにがしか突き抜けていくたび、とても「楽になっていく」姿を見ていると、あ〜、これもアリなんだと思えるように変わってきました。アプローチやスタイルが異なっても、やはり求めているものは一緒なんだと。
ナニを隠そう長谷川先生にしても、講義では「身体を壊さないヨガ」を教えられていますが、ご本人は修験者でもあります!
もし「厳しく苦しい山道を歩くのはナゼですか?冷たく痛い滝に打たれるのはナゼですか?」と尋ねても、きっと私のような凡人を納得させる答えは出せないと思います。目指す先にある大きな力に導かれているのでしょう。その道を歩み続けた者にしか分からない魅力があるのでしょう。そして修行の後に、さらに気持ち良く楽になったご自分がいるのでしょう。
自分の流派だけが特別であるかのような選民意識でヨガをしている人は論外ですが、とりあえず今の私にとって全ての流派スタイルはアリアリです。全部まとめて万歳!って感じです。
5月 26, 2008 ヨガ(あるいはヨガ的なもの) | Permalink
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コメント
身体の気持ち良さと心の気持ち良さとの区別or/and釣り合いも人それぞれ。
この箇所に深く納得です。
aco先生の記事はなんと言うか、今、モヤモヤとしている頭の中を整理整頓してくれることが多く、とても私自身を助けてくれています。
身体と心の気持ちよさ、釣り合いは人それぞれなのはもちろん。
自分自身ですら起こります。
現に今、起こっています。
ちょっと今、苦しい私です。
どこを目指しているのだろう?何を焦っているのだろう??
aco先生の記事を見るたびに勇気付けられるときもあれば、置いてきぼりを食っているような孤独感を感じることもあります。
心も身体も、どう感じるかはそのときの自分の状態を表すんだなぁ。とつくづく思ってしまいます。
それでも、もっともっと流れの速い渦の中でも、こういうニュートラルな先生を見ていると自分もニュートラルでいることが一番大事なんだなぁと再確認できます。
でもでも。
やっぱり、acoヨガと、長谷川骨盤WSは今すぐにでも飛んでいって出席したい気分になります。
って、やっぱり私、焦ってますよね 汗。
投稿: akinasu | 2008/05/28 0:05:45
akinasuさん、思うようにヨガができない時もブログを読んでこんな丁寧なコメントをいただき本当に感謝です。
akinasuさん自身の体調や、周囲の環境などで今はムリしない方が絶対に良い時があるーーーこれは種類・程度の差こそあれ殆ど多くの人が回り回っていつかは経験しなければいけない事だと思います。
もう少し体調や環境が落ち着いていけば、「ヨガ」はいかようにもできます。ヨガそのものは、ネ!
でも!akinasuさんは根っからのインストラクターなんですよね(笑)。レッスンを、インストをしたくてウズウズして、焦ったり凹んだりしたりもする。
きっと大丈夫ですよ〜。ブランクなんてヘッチャラ。
akinasuさんが経験している事柄はきっと将来のインストラクションにものすごく反映されると思います。私も誰も及ばない観点から相手を見て感じて魂に響く言葉を投げかける、そんな唯一無二のヨガインストラクターになるべく人間として神様に選ばれたんだと思います。
私も皆もずっとず〜っと待ってますから。ド〜ンと構えてakinasuさんしか感じられない今の思いや体験を骨の随まで染み込ませて充電してください。
投稿: ACO | 2008/05/28 23:03:06
aco先生。ありがたや~。。。涙
その優しさ。包容力。
誰もがこういう低迷期というか、待った!!の時期を経験する。
その通りです。
この時期の経験も自分の糧にして、充電ですよね。いい言葉です。この充電が、一生懸命、誠実に生きることが。自分の表情に、言葉に、もっと違う何かを与えてくれるって信じています。
皆も先生の人柄がacoヨガにそのまま表れているので、ついていきたい!!って思うんでしょうね。
師匠!!!私も10年かかってもついていきまっせーーーー☆
3人くらい子供が出来ても、脇腹たるんでもイントラやり続けます 笑
投稿: akinasu | 2008/05/29 9:47:23
akinasuさん、こちらこそありがたや〜デス!
ひ孫に教えるファンキーなakinasu先生でいてください♪
投稿: ACO | 2008/05/29 17:18:32
長谷川先生の気持ちいいことだけやる、というのははげしく同感しました。
教えることに関しては毎回模索中だけど、それぞれが自分なりの気持ちよさをみつけられるクラスがつくれたらよいなーってほんと思います。
今週末も楽しみ☆
またよろしくお願いしまーす!
投稿: Reiko | 2008/05/29 23:33:29
Reikoちゃん、集中講座まで参加しててビックリしました。
解剖学の長〜い翻訳をされた後では、Reikoちゃんに骨フェチ度かなり負けてます。私ももっと勉強せねば。
今週もヨロシクお願いします!
投稿: ACO | 2008/05/30 12:17:11