« 北千住&ヨガの種類 | トップページ | 超ミーハー的ACOYOGA写真館 »

食のWS 抜粋

昨冬、Sun&Moon Yogaスタジオにて行った「食に関するワークショップ」からの抜粋です。

私は基本的に「玄米菜食主義」だが、それほど厳格なものではない。肉類は摂らないが、乳製品・魚介類は食べるし、コーヒーや酒、スイーツも好きだ。常に玄米100%ではなく、時には白米も食べる。外食の時も、固形の肉類が入っていなければ、多少の肉系スープ・ダシ汁で調理されたものも気にしない。いや、気にはするが、とりあえず口に入れてみると、体がYesかNoか教えてくれる。

ヨガをするようになってから、全ては体が教えてくれるようになった。動物愛護とか特別な信念に基づいて肉を止めたわけではない。全く無理することなく自然に、肉類、油っこい物、スナック菓子、ジャンクフードなどを体が受けつけなくなった。といっても、腹式呼吸を基本とするソフトなハタヨガをしていた10年近くは、肉類も何でも食べていた。そうしたヨガの後は胃腸がリラックスして、旺盛な食欲で焼肉&ビールをパクパク食べていた。しかし近年のパワーヨガ・ブームで、私のレッスンも「ウジャイ呼吸とバンダの締め付けを基本とするビンヤサヨガ」の方がが多くなっていくにしたがって、どんどん食に対する指向が変化していった。一般に、ヨガの中でも特にウジャイ呼吸をする人、アシュタンガヨガをする人に菜食傾向が強いと言われている。もしアラスカに住んでいれば、私もトナカイやアザラシ肉を食べて、そこからビタミンを取るだろう。しかし東京在住の私にとって、今はとりあえず肉類は必要なくなってしまった。


ところで、ヨガにおける「食」とはどんなものだろう?

インド哲学では全てがグナという3種の性質に分類できる。
1.サットビック(純粋) 2.ラジャシック(活発) 3.タマシック(生気がない)

食物もグナで分類できる。サットビックは、マイルドな味で、消化を促進し、心身に栄養を与える力があるジュース、果物、豆類、牛乳、穀類など。ラジャシックは、食欲を増進させ感覚を鋭敏にする、玉葱、ニンニク、スパイーシーなもの。タマシックとは、不衛生な料理、食べ残し、ジャンクフードなどで、高カロリー低栄養のものである。

*以下は、異論反論もあろうが、ヨガ関連本に記載されていることから抜粋
・魚や、特に肉類を食べると血液が汚れ、さまざまな病気の元になり、神経を興奮させ、感情をも揺さぶってしまう。
・たとえサットヴィックな食材を食べていても過食をしたり、元は新鮮な食材でも切ってから長時間経てば、それはタマシック的な食材に変わってしまう。
・加熱調理せず生の食品を摂取する”ローフードRaw food”は、食物の持つ力を最大限に体に取りとめ、肌や筋肉が若返る。

*より現実的に、守るべきことは・・・

ヨガをするには、食物が胃の中に入っていない状態が理想である。少なくともヨガをする2〜3時間前からは食べないよう注意する。理想は「胃の半分を食物で満たし、1/4を水、残りの1/4は消化をよくするために開けておく」こと。植物性食品を中心に、腹六分目くらいにとどめると、脈拍や呼吸を安静に保てるので、アーサナや瞑想に適している。

実際、私の場合も、これを心がけるようになってから、少しの睡眠でもハードワークに耐えられる、疲れを感じないスタミナのある体に変わった。ヨガをしていると、満腹という状態がどれだけ動くを鈍くするか歴然と分かる。特にヘッドスタンド、ハンドスタンド、難度の高いアーサナの動きは、胃腸、体が軽い方が圧倒的に動きが良くなる。(そもそも胃が重たくては未知のアーサナの練習に挑戦する気すら起こらない。)胃の中が軽いと呼吸やバンダ、瞑想の爽快感が初めて全身に伝わる。こうした快感をおぼえると、もう満腹にするという事はあり得なくなり、また便秘というのもあってはならないものになる。いくら外側をキレイに取り繕っても、胃腸の中にたくさんの未消化物が入っているのは生き物として非常に汚い状態。インドの貧しいヨギーは良い匂いの石鹸やシャンプーを使わないので、見た目は浮浪者のようだが、彼らは毎日、鼻うがいをして、川で沐浴をして、戒律を守った食事を感謝しながら摂り、もちろん便秘とは無縁の生活だ。浄化すべきは体の外ではなく、内の方なのだ。


断食、デトックス・ダイエット
義父母の家や、実家の母の家に行くと、ぜいたくなご馳走料理を用意してくれる。そうした後は必ず不快な膨満感があり、便意をもよおしてトイレへ行くのだが・・・ガスがたくさん出るだけで、期待したような便は出てくれない。ある日、ヨガの先輩からアドバイスをもらった。人間の体を土管のように考えて、上からどんどん詰め込んだら下から出ていくと思ったら大間違い。絶食して胃腸を休めてあげた方が便通が良くなる、と。そして、その通りであった。

人間の体の生理として、「吸収は排泄を阻害する」という原理がある。たくさん食べれば食べるほど、その食物の消化のために、胃や小腸などの"吸収・消化"を担当する臓器に血液が大量に集まり、”消化作業”にエネルギーが集中する。ということは、大腸や腎臓などの"排泄作業"を担当する臓器に供給される血液の量が相対的に少なくなり、大便や尿の排泄が少なくなる。つまり、食べれば食べるほど排泄が悪くなる。→「食べないと排泄がよくなる」ことになる。

それ以来、暴飲暴食の翌日には丸一日の絶食を。定期的にプチ断食やデトックス・ダイエットをするようになった。デトックスとは日本語で解毒のこと。脂肪や内臓に蓄積された有害物質を体外へ排出して、健康を取り戻すことを指す。断食は家の掃除と同じようなもの。身体と精神の両方をクリーンに浄化する。毎日酷使している胃腸を休め、内臓本来の持つ活力を蘇らせる。また過剰栄養分や毒素・老廃物の排出を促進させる。便秘がちの人、ダイエットしたい人、体調を整えたい人はもちろん、暴飲暴食な毎日から1日距離を置くことで、その後にかつてない精神のゆとり、リラックスをおぼえる。

ちなみに、こうした断食やダイエットの最中は、必ず1日2回はヨガをしてほしい。デトックス・ダイエットの本にも軽めの運動やら深呼吸、ツボやリンパや腹部のマッサージが紹介されているが、それこそ、まさにヨガが最適だ。強度は緩めで、プラナヤーマ(呼吸)に重点を置いたヨガをすることで、空腹感がまぎれ、精神がリラックスし、デトックス効果も増し、ヨガを通して、かつてない爽快感、体を良質なプラナが行き渡る思いが味わえる。

丸一日の断食に初めて挑戦する人は、仕事のオフ日、週末に行うのを勧める。その方が不安感もないし、何よりも「リバウンド」を避けることができる。断食明けの復食が最も難しく大切なこと。身体はせっかくリセットされてるのに、感情の方が飢餓感をおぼえて、ドンドン食べてしまう。全てを栄養として取り込もうとしてしまう。実際、復食でそんな食べ方をすればたちまち頭痛、吐き気、胃の不快感を覚えるのだが、いったん脳が舌が味覚を再び味わったらもう止まらない。しかし! 復食を休日明けに、つまり平日の仕事タイムに合わせれば、こうしたリバウンドはかなり防げる。家でダラ〜っと過ごさず、オフィスでいつもの仕事に打ち込み、間食ができない状況にする。周囲の人間に、週末は断食していたと告白するのも良い。周囲の目線が気になり、リバウンドするような愚かな食事はしづらくなる。外でおかゆを食べるのが困難なら、少しの玄米食をよく噛んで、または何もつけない玄米パン1枚だけ。もちろん無理のない強度のヨガも毎日続けて、適切なエネルギーの摂取と消費をして、便通も良くしていく。こうした日々を数日過ごせば、その効果が身体にも心にもインプットされて、リバウンドを防げる。外で仕事をせず、家にいる人は家事に励んだり散歩をしたりして、間食から遠ざかるような環境を心がける。とにかくリバウンドを甘く見てはいけない!私は何度もリバウンドで失敗を重ねている。実際の断食よりも、断食明けの復食の方が何倍も難しいと肝に命じてほしい。


[1日の完全断食]
日の出から初めて、翌朝の朝食に断食を終える。breakfast=break the fast(英語で断食はfast)。

・前日
翌日行う断食日の準備日。原則、普通通りの生活でOK。残業などストレスのたまるハードワークや特別なイベント、夜更かしは禁物。夕食は遅くても8時にはスタート。夜9時以降は食事禁止。この日は、目で食べるのではなく、お腹がいっぱいになるという感覚を意識しながら食べる。夕食はいつもより軽めに。お皿に食事が残っていても、お腹がいっぱいになったら箸を置く。

・断食当日
今日は1日絶食。日の出から翌日の朝食まで、少量の甘味料(メープルシロップなど)を入れたレモン水を飲むだけ、他は何も摂らない。特別なイベントは入れずに自宅でゆったり過ごす。しかしダラダラは禁物。身体の掃除と同じく、部屋の掃除をするのも良い運動。強度を抑え気味にしてヨガを行う。空腹感を覚えたらプラナヤーマ(呼吸法)を練習する。キッチンや食卓から遠ざかって軽い散歩で気分転換をするのもよい。散歩の時も深呼吸を意識的に楽しむ。アロマオイルや半身浴でリラックス効果を出すのもよい。また、断食中は体を冷やさないことが大切。体に宿便がいっぱいたまっている人の方が、この1日断食にたいして空腹を感じないかもしれない。
*レモン水の作り方
水に対して10%のレモンを混ぜる。(例:20カップの水に、2カップのレモン)レモンは生を絞らなくても、甘味料が入っていないフレッシュな天然100%レモンジュースでよい。飲みやすくするために少量の甘味料(メープルシロップ、精製していないハチミツ)を足す。くれぐれも甘味料を入れすぎないように。これらを幾ら飲んでもよい。少なくとも3L以上飲む。冷えを感じたら少量のジンジャーをレモン水に加える。

・断食翌日
一番大切な日。断食明けの朝はお腹が空いているが、ここで空腹感に屈しない。できれば復食メニューを2日続けて、ゆっくり量を増やして胃腸を慣らしていく。たとえば復食第1回目のおかゆは茶碗5分目。2・3回目は7分目。4回目から茶碗1杯〜というように。そして、よく噛む。調理は薄味に。水分をたくさん摂る。ビタミン豊富なお茶も良い。紅茶・コーヒーを飲むなら砂糖ぬき。
(朝食)
野菜スープ(市販の野菜ジュース2缶を鍋にあけ、温めて軽く塩コショウ)
(昼食)
おかゆ+豆腐の味噌汁+梅干し+しらすおろし
(夕食)
おかゆ+豆腐の味噌汁+梅干し+しらすおろし+温野菜、または根菜の煮物、または納豆

復食はとにかく、初めの一口をよく噛むこと!20回じゃ足りない。40回くらい。味も形もなくなるまで。それで胃腸に合図を出す。消化器官が混乱しないように、ゆっくり優しく合図を送り始める。そうすれば、消化機能も準備を始めてくれる。


[2〜3日間の断食}

レモン水に加え、野菜ジュースも摂取する。
*野菜ジュースの作り方
ニンジン2本、リンゴ1個をジューサーにかけて、コップ2.5杯の生ジュースを作る。これをゆっくり噛むように飲む。(ミキサーではなく、ジューサーに!) できない場合は市販の野菜ジュースでもよいが、成分、特に糖分の質・量に注意。

[4〜7日間のプチ断食]

原則的に、水(またはレモン水)・野菜ジュース(または野菜スープ)だが、これにショウガ紅茶+黒砂糖orメープルシロップを加える。口の渇きや空腹をおぼえたらショウガ紅茶を何杯飲んでもよい。どうしても空腹が我慢できなかったら、少量の黒砂糖を直接つまむ。塩分を欲したら、梅干しをひとかじり、または摂取する水分にクレイジーソルトなどを加える。マメな人なら午後は野菜ジュースの内容を、ニンジン1本+リンゴ2個と、ニンジン/リンゴの比率を反対にするとさらに理想的。断食により昼過ぎ頃から血糖値が下がるのをリンゴの果糖により防ぐ。
1週間ダイエットに挑戦すると、一時的に便が出にくくなる人もいる。しかし断食してから3−4日目までには大量の便が出てくる。やたら眠気を感じるが、これは蓄積した疲労からのサイン。できるだけ睡眠を多くとる。体が塩分を欲することもある。ナメクジに塩をかけると縮むように体から水分を出すために、梅干し1かじり等の塩分を摂るのはgood。またノドが渇くこともあるが、体温が高まり代謝がupしている証拠なので、これもgood。胃が膨張してきて、グルグル音がして、もう飲みたくない、水分を受けつけない状態が訪れる。少々ツライが我慢のしどころ。断食により、腸の中の宿便が分解してガスになっている証拠で、腸内浄化の証。いったん大量の便が出ると、さっぱりして元気になり、もう飲めないと思っていたショウガ紅茶をがぶがぶ飲みたくなる。体中をいい空気と血液がかけめぐって、プラナで満たされる爽快感、充実感をおぼえる。体の浄化→精神の浄化。この後に摂る水分は今までで一番おいしく感じる。


[さらに定期的・継続的な毒素排出ダイエット]
・寝起きに一杯の水。朝食は固形物をとらず、野菜ジュースかショウガ紅茶(黒砂糖入り)にする。
・一日を通してショウガ紅茶は何杯飲んでもよい。
・身体を冷やす食べ物を避け、胃腸を温める食事内容にする。
・昼食・夕食は玄米菜食にして、総摂取量は1400kcalくらいに。
・魚介類を食べる人の場合、青魚が血液サラサラにしてくれる。夕食にはタウリンを含むイカ、シジミが良い。(腎肝機能が最も働くのは午前3時)
・お酒とタバコは厳禁。あるいは、このダイエット中はせめて酒量を半分にするとか、この期間は禁煙に挑戦する良いチャンス。
・1日2回、軽めのヨガ。呼吸を丁寧に。


このダイエット法の二本の柱は、「朝食に固形物を摂らない」ことと「黒砂糖かメープルシロップを加えたショウガ紅茶を飲む」こと。

*「朝食は1日の活動のエネルギー源だから、しっかり食べるべきでは?」

夜明けと共に起き出して、朝食前にひと仕事してお腹を空かせてから朝食を摂るなら、朝食の意味も価値もある。しかし現代文明人は、夜遅くまで飲み食いして、深夜に就寝し、5−6時間の睡眠で起床するとあたふたと出勤する。こうした生活では、朝はまだ胃腸に食物が残っており、そのくせ胃腸は十分に目覚めていない。むしろ消化するために胃腸に血液が集まると、その分、筋肉へまわる血が少なくなり、筋肉が活発に働かなくなる。(ゆえにヨガの2〜3時間前は食事を摂らない。)それに、朝は吐く息が臭い、目やにが出る、尿の色が濃い・・・ように、排泄を促し体内を浄化している時間帯でもある。断食中の様子を思い起こしてほしい。吐く息が臭くなる、舌ゴケができる、汗が匂う、尿の色が濃くなり、濃いタンがでる、黒い宿便がでる等のほか、発疹が出ることもある。これらの症状は、食べないために排泄が良くなっている証拠。起床時は「断食」の排泄現象を毎日ミニ体験しているのだ。朝は排泄を促すための水分、脳や筋肉の活動をまかなってくれる糖分を摂れば十分。そういう意味で、紅茶に黒砂糖を入れて飲むとか、ニンジン&リンゴジュースを飲むだけで事足りる。その食欲さえない時は、水1杯でもお茶1杯でも十分なほど。

*「黒砂糖やメープルシロップは太るのでは?」

体が冷えると、脂肪や糖分というエネルギー源の燃焼が悪くなり太りやすくなる。また、人間は、よく食べるものとだいたい似た体型になる「相似の理論」がある。カロリーだけにとらわれず、同じカロリーで似たような食物なら、牛乳よりチーズ、うどんよりそば、白ワインより赤ワイン、緑茶より紅茶、洋菓子より和菓子、葉菜より根菜や海藻、大豆より小豆や黒豆や納豆、白パンより黒パンを摂取した方が痩せる。色が濃く固くて引き締まった食物を食べると、それを食べた人間も同様に身体が引き締まってくる。白砂糖より黒砂糖やメープルシロップやハチミツの方が、同じカロリーでも痩せやすい。色の濃い甘味は体を温める。体が温まると新陳代謝がよくなる。脂肪や糖分の燃焼がよくなった結果、腎血流もよくなり、尿の産生や排泄がよくなり、水太りも解消できる。しかも体を温めるショウガと紅茶、黒砂糖という黒色の陽性食品が一緒になった「ショウガ紅茶に黒砂糖」の保温効果、利尿作用、体の引き締め効果はベスト。


[菜食主義・粗食について]

ヨガをするからといってベジタリアンになる必要はない。しかし菜食・粗食がもたらす効果は確かに絶大なものがある。それなのに世間ではまだまだ誤解が多い。

*「ベジタリアンではタンパク質不足になるのでは?」「子供にはタンパク質を与えないと筋肉がつかず成長を阻害するのでは?」

にわかには信じられないかもしれないが、バナナの方がステーキよりもタンパク源として優れている。現代人は動物性タンパク質を摂らなければならないと思い込まされ過ぎている。しかし、土の中から芽を出して成長するものの中には、必ずアミノ酸が含まれている。肉だけに含まれている栄養素というのは存在しない。肉に含まれている栄養素は他の食品からも摂取できる。むしろ現代人はタンパク質の過剰摂取による害、肉食の習慣と深い関わりがある生活習慣病を心配すべきなのである。肉など動物性食品を消化するには相当のエネルギーを必要とする。そのため移動(運動)に使うエネルギーがなくなってしまう。ライオンなどの肉食獣はほとんどの時間をゴロンと寝て過ごし1日に体を動かすのはわずか2時間程度だという。それに比べ草食動物は動きも機敏で活発だ。プロフットボールチームの栄養管理士によると、彼らの大好物が特大ステーキと山のようなアイスクリームだったのを、野菜中心の、量より質の食事に変えさせたところ、選手たちは以前よりもスタミナがついた上に動きも機敏になり、怪我も目にみえて減ったとういう報告がある。現代人は動物性食品を摂る機会が多く、食事外にもおやつやコーヒー、清涼飲料水など四六時中、何かを口に運び、胃腸が休む暇はない。常に物を食べているとエネルギーは常に消化活動に使われ、免疫活動に使われるエネルギーがなくなり病気になりやすくなる。

*「断食すると病気になるのでは?」

野生動物は病気や怪我をすると、ものを食べずにいるか、熱を出す、もしくはその両方の断食と発熱によって身体を治す。これが自然の治癒力だ。一方、人間は病気になれば医者でさえ「栄養のある物を摂りゆっくり休みなさい」と言う。しかし実際は、栄養価の高い物ほど、特に動物性食品ほど消化に必要以上のエネルギーを必要とする。だから「病気になれば食べるものを控えてジッと寝てなさい」が正しい。食物を摂らなければ消化活動をしないで済み、エネルギーのほとんどを免疫活動にまわすことができる。断食はこのようなメカニズムで病気を治している。消化という作業は、胃腸に、ひいては体全体に想像以上に大きな負担をかけるものなのである。唾液にデンプンを分解する酵素を持っている動物は人間だけ。このことで分かるように人間は穀類を中心に摂ることが一番効率よく栄養が摂れ、消化もスムーズに行え、体に負担をかけずにエネルギーを生み出すことができる動物なのだ。

*「粗食ではなく、バラエティーに富んだ食事をすべきでは?」

体に負担をかけないからこそ健康になれる。それを無視した現代の栄養学は、栄養とカロリー計算とバランスのみを最重要視している。栄養があって色々な食品を1日30品目摂るようなバラエティーに富む食生活をするよう勧めている。しかしゴリラやサルなどは果物だけであれだけの体をつくっている。馬や牛は草だけであれだけ大きな体を維持して健康だ。動物にとって偏食が当たり前。動物で雑食をしているのはイタチとタヌキとネズミくらいで、大半の動物は超偏食である。それでこそ健康でいられる。
これは非常に忙しい時にも言える。忙しい時は防衛本能として交感神経が活発となり、副交感神経の働きが衰える。そうしないと多忙な仕事に心身がおいつかない。これは健全なストレス反応。こんな時は胃腸がリラックスしておらず、消化機能も衰えている。めちゃくちゃ忙しい時は、せめて食事くらい旨いものを食べてストレス発散したいと思うが、それは間違い。忙しい時は出来るだけシンプルな食事の方が良い。他品目をバランス良く、という理想にがんじがらめにならなくてよい。忙しい時は毎日同じメニューでOK。そうすれば消化に少しのエネルギーで済み、胃腸も「ああ、いつものアレが入ってきた」と混乱しない。こんな時にアレコレ豊富なメニュー、まして普段食べないような珍しいモノが胃に入ってきたら、消化に多大なエネルギーを費やしてしまい、すぐに眠くなり疲労を感じ、仕事の効率が悪化するだけ。忙しい日々の時は、シンプルで同じメニューをお勧めする。もちろんそのメニューは出来るだけ栄養バランスの良いものを。因みに我々は毎朝、これをちゃんとやっている。朝食の内容は大抵いつも似たようなもの。これで一日に向けてのエネルギーがGoサインを出す。動物は生涯、ほとんど同じモノだけを食べている。食べて出して、そのプロセスは非常にシンプル。便の内容成分もいつも同じ。これが動物としてあるべき姿。仕事が一段落して心からリラックスした時に、日常から解放されて温泉旅行にでも行った時、ゆっくり普段は食べられないような珍しい豊富なメニューを楽しめば良い。これを応用して、海外旅行で現地の珍しい物を食べて体調を崩したら、一食抜いてみる。代わりに日本から持参した梅干し、お茶などが最良の薬となる。ゆえに珍しいものを食べる時は、断食明けの復食と同じ様に、最初のひと口をとにかくゆっくり何度も何度も噛んで、胃腸にサインを送ってやる。消化機能が混乱すると胃腸の中で発酵がおこる。これはガスとなる。もちろん出物腫れ物はどんどん外へ出す方が良い。しかし発酵してガスにするよりは、できれば便として外にスムーズに出ていくのが良い。


[私が心がけていること]

数種類の少し固めに茹でた野菜をタッパーに入れて冷蔵庫に。同様に、茹でた豆類もタッパーに入れて冷蔵庫に。炊きだめした玄米ご飯は小さなオニギリ1個サイズにして冷凍庫に。ナッツ類も常備。バナナ、リンゴ、ミカンなど1種類で良いので果物を常備。他に、乾燥グルテンがあれば、週に数回わずかの食品を買い足すだけで、経済的・健康的・時間のかからない食生活ができる。

・私の朝食は玄米シリアル。そこにナッツ少々とスライスしたバナナなど果物1/2個を足す。(休日のブランチはそれに卵や野菜を加える。)
・外出時に少し持っていくと便利。朝の残りの果物1/2、温野菜少々をラップにくるんで。少々のアーモンドやクルミを袋に。日中、レッスンで移動している時、ほとんどまともな食事はとらないので、これらはランチ代わりになる。空腹の帰り道、1片のアーモンドをゆっくりゆっくり噛みながらスーパーマーケットで買い物をすると、無駄に多く買うことはなくなる。
・帰宅して「お腹がペコペコ!いっぱい食べるぞ!」「ノドがカラカラに乾いてる、ビールをいっぱい飲むぞ!」と 思ったら、まずはその前に、茹でたブロッコリー1片やクルミ1個をゆっくりゆっくり噛み、水を1杯飲むと、かなり胃も脳も落ち着く。まずは自分を落ち着かせて、それから好き物を食べるなり飲むなりすればよい。つまり空腹になったら、まずは水を飲め! 適度な固さの物を一口ゆっくり噛め!
・夕食は何も買い足さなくても、これらだけで美味しいサラダやカレーはもちろん、組み合わせることで様々な料理が手早くできる。
・乾燥グルテンやテンペといった肉代用食品を上手に利用することも大切。ベジタリアン料理というと、ついつい味も素っ気もない貧相なメニューになってしまう。しかしグルテンを使って、以前の肉食時代に作っていたレパートリーそのままに、ハンバーグ、マーボー豆腐、ミートソース、ジャージャー麺など何でも自由に作ればよい。そうすれば家族も不満を言わない。ただし、調味に使う油やスパイスには気をつける。市販のレトルトや粉末ソース類は使わず、自分で調味する。
・タッパーに常備する野菜は何でもOKだが、私的にはニンジンが必須。あの適当な固さが「ゆっくり噛む」のにベスト。またナッツ類は菓子コーナーの物は塩分が多すぎるので、必ず料理用のを買う。玄米は保温ジャーの中に放置すると栄養価がどんどん低下するので、炊き貯めした後は一食分ずつ冷凍保存する。

その他、心がけているのは、食前に両手を合わせて「いただきます」、食後に「ごちそうさま」と唱えること。それも、感謝をこめて静かにゆっくりエレガントに唱えること。すると不思議に、食べ方もゆっくりエレガントになり、少量をよく噛んで味わう食事になる。また、いったん「ごちそうさま」と言って手を合わせたら、本当に終止符、ピリオドをつけた気になり、その後でダラダラと口に運ぶのがすごく恥ずかしい事に思えてくる。ダイエットの方法のひとつに、食後すぐに歯磨きをすると良いと聞いたことがあるが、私の場合は、この「いただきます」&「ごちそうさま」効果は抜群だった。この習慣は日本人なら誰でも小さい頃、家庭で学校で教わったはずだが、大人になっていつの間にか忘れてしまった。だから再び習慣づけるのは意外と大変。ついつい忘れてしまう。初めのうちは食卓の目につく所に紙で貼っておくのがよい。1週間も毎食、唱え続けていれば再び自然と習慣化されるだろう。

では、もしお腹が空いて耐えられず、食べ過ぎてしまったら? その時は食べた直後の心身の状態が、あるいは食べた直後のヨガが「こういうものである」ということを体験するいいチャンス。「私はダメ人間だ・・」などとネガティヴに評価・判断しないで、ただ観察することを楽しめばよい。きっと身体が重くて思うように物事が運ばないであろう。決めた通りにいかないときこそ、面白い発見がある。それは何かにとらわれない柔軟で、強い心を鍛えることにもつながる。食べる事はとても大切、食べる時間を誰かと共有することは、人と人が心を許しあう場面を作り出す。その場の雰囲気によって同じ食べ物でも美味しかったり不味かったり。私たちはその場の「気」も、食物と一緒に自分のなかに取り入れている。食事に十分な時間を取り、着席して食べ、くつろいで楽しむことは消化によいだけではなく、食べ物との健全な関係を作ることにもなる。肉を食べたければ、感謝して食べればよい。感謝の気持ちは肉の持つ毒性を消す。与えられたいい場面を楽しむことで、食べ物との和が図れる。自分で決めたこと通りには運ばない時こそ、ヨガを通して養った「柔軟な心」を発揮するチャンス。人生は、何かを計画していても、そんな時に限って別の何かが起きてしまう。でもそれこそが生きるということ。


*もし休日に関係なく1日断食に挑戦するなら、ヨガ的には新月・新月の11日後・満月がおすすめ。

[新月] エネルギーが最も低下するこの日、レモン水だけで過ごすのに適した日。

[新月から11日後] 精神と体内のバランスがパーフェクトと言われている。内分泌腺・外分泌腺が自律的に再調整をはかろうと新陳代謝を起こす日。非常に軽い一食だけにして、残りはレモン水だけで過ごすと健康を取り戻す。

[満月] 最高のエネルギーレベルになり、体内の分泌も盛んとなるこの貴重な日のエネルギーを消化に費やすべきではない。摂取するのは液体だけが望ましい。もし何か食べる必要があると感じたならばミルクが良い。その場合、冷蔵庫から取り出してすぐの冷たいミルクではなく、一度沸かしてから5-10分間待って適度に冷ましたミルクを飲む。ウコン(ターメリック)、ブラックペッパー、シナモンスティック、ジンジャーなどをひとつまみ入れても良い。
*サンスクリット語では、断食に相当する単語は"upavas"。直訳すると「〜のすぐ近くに座る」。誰の近くに?=神の近くに・・・


[ベジタリアンの種類]

1.ビーガン(vegan):あらゆる動物性食品(肉、魚、卵、乳製品はもちろん、中にはハチミツすら!)を厳格に避けるベジタリアン。

2.ラクト・ベジタリアン( lacto-vegetarian):肉・魚・卵は避けるが、乳製品を摂取するベジタリアン。

3.オボ・ベジタリアン(ovo-vegetarian):肉・魚は避けるが、卵および卵製品を摂取するベジタリアン。

4.ラクトオボ・ベジタリアン( lacto-ovo-vegitarian):乳製品や卵を摂るベジタリアン。欧米の多くのベジタリアンがこれに分類される。

5.ペスコ・ベジタリアン( pesco-vegetarian):魚介類も摂取するベジタリアン。ただし「アメリカ栄養士会」による定義では、魚介類を摂取する人をベジタリアンとは呼ばない。

6.セミ・ベジタリアン:厳密な意味ではベジタリアンとはいえなくても、動物性食品の摂取を控えて、できるだけベジタリアン食を中心とした食生活を送っている人々。医学研究では、肉や魚介類の摂取を週一回以下にしている人としている。

7.マクロビオティック( macrbiotics):アメリカではマクロビオティックの食事がベジタリアン食の一つとして認知されている。もともとマクロビオティックは日本人によって確立され、主にアメリカで知られてきた。マクロビオティックとは「長寿・長命」を意味する。訳語としては「禅式長寿法」「玄米正食法」と呼ばれることもある。マクロビオティックは単なるベジタリアン食というよりは、生き方、思想であり、自然と調和して生きることを目標とする食養生法の一つ。「食」を実践の基本とし、動物性食品、特に肉類を避け、無農薬・自然農法の穀物や種実類、野菜を中心とした食事を摂る。原則として、その土地でその季節に採れる植物性食品を利用。「身土不二」(シンドフジ)、「一物全体」(イチブツゼンタイ)を二大原則とする。身体(身)と環境(土)は分けられない。土地柄と季節に合ったものを摂る。可能な限り丸ごと摂取する。根菜類の皮を剥いたり葉を捨てたりしない、穀物も精白しない。輸入食品や熱帯原産の野菜・果物を避ける。食塩も天日塩を勧める。調理用油は胡麻油・コーン油・辛子種油など。水もできれば天然の湧き水や井戸水。


[ベジタリアンの栄養学]

・適切なベジタリアン食でタンパク質が不足することはない。タンパク質とひとくちに言っても、注意すべきは必須アミノ酸。必須アミノ酸は体内で合成できないので、食物として摂取しなければならない。野菜に、穀類や豆類といった植物性タンパク質をバランス良く組み合わせれば、必須アミノ酸の必要な種類と量は十分に供給できる。(ちなみに、肉類や卵は、一種類の食材だけで全ての必須アミノ酸を摂ることができる。)植物性タンパク質でも、大豆は例外。大豆は他と組み合わせなくても単独で質の高い全ての必須アミノ酸を含み、栄養学的にも肉類と同等。大豆が「畑の肉」と呼ばれる由来。卵や乳製品を摂るラクトオボベジタリアンなら必須アミノ酸不足の心配は要らないが、ビーガンの場合は不足しないよう組み合わせに配慮する必要がある。

・同様に脂質についても、体内で合成できず食物として摂取しなければならない必須脂肪酸があり、具体的にはリノール酸とリノレン酸を指す。これらも大豆、べにばな、ひまわり、コーン、オリーブ、ナッツなどで十分に摂れる。栄養学的により理想を言えば、多価不飽和脂肪酸のDHAやEPAが必要となる。これらは植物性食品には存在せず、青魚に豊富。魚を摂取するペスコベジタリアンなら心配ない。魚を食べないベジタリアンは、シソの実油や亜麻仁油から又はサプリメントから摂るとよい。コレステロール値を上げるトランス脂肪酸はマーガリンやショートニングに多い。ビーガンならマーガリンとなるが、ラクトオボベジタリアンなら意外にもバターの方が好ましいといえる。

・動物性食品がどうしても必要となるものにビタミンB12がある。しかしこれも乳製品や卵を摂取するラクトオボベジタリアンなら全く心配ない。ビーガンはサプリメントの利用が推奨されている。ビーガン食でビタミンB12の供給源をどうするか、いつも議論になる。アメリカでは、シリアルや豆乳、ベジタリアン用の肉代用食品にたくさんのビタミンB12が添加されている。もっとも手軽なビーガン用のビタミンB12サプリメントはイースト(酵母)。普通にシリアル(強化食品)を摂っていれば大丈夫。またビーガンはカルシウムの吸収や骨の形成に必要なビタミンD不足にも要注意。これらは卵黄、牛乳、肝油などに多く含まれるので、ラクトオポやペスコベジタリアンなら心配ない。ビーガンはサプリメントも必要。

・鉄分・亜鉛などのミネラルに関してはビーガンも全く心配ない。
・妊婦、成長期の子供でも、ラクトオボやペスコベジタリアンなら必要栄養素は満たされる。ビーガンにはサプリメントを推奨。
・なお、伝統的な和食はペスコベジタリアンに極めて近いが、塩分の摂取が過剰であり、良質のタンパク質が必ずしも十分とはいえないので、その点を改善しながら摂っていく。


[ガンコな便秘:奥の手] 

別に腸の中を空っぽにまでする必要はないが、やはり便秘はよろしくない。また、たとえ毎日出ていても、便の色が黒かったり、ガスの臭いがひどかったら、間違いなく腸内は腐敗している。
腸内をスッキリさせるには、「食物繊維」と「善玉菌」と「運動」、この3つがそろった時がベストである。しかし、そんな事はやっていられない!という人にコッソリ教えるのが (本当はあまりお勧めできないのだが・・)「乳糖」だ。これは抜群の効果を発揮する。
1回分50グラムの粉を約200ccの水で溶き、朝の空腹時に飲むだけ。そのあと何も食べないで3時間もいると・・・猛烈な便意を催してくる。「乳糖」とは牛乳の成分。赤ん坊の粉ミルクの成分のほとんどが乳糖だ。人間は、乳児の頃には「ラクターゼ」という乳糖分解酵素を腸内で作り出すが、成長するに従ってその分解酵素は減少し、成人のほとんど大半は乳糖を分解できなくなる。従って、飲んだ乳糖は胃を通過していきなり腸へ行く。そこで、乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌が、この乳糖をエサにして繁殖して膨れ上がり、溜まっていた便も一緒に抱え込んで出てくる。乳糖は購入可能だが、赤ん坊の粉ミルクで代用しても良い。ただし非常に効きすぎるため要注意。休日、在宅の日を選んでトライしてみてほしい。


Copyright (C) 2006 ACO All Rights Reserved.

5月 20, 2006 ヨガ(あるいはヨガ的なもの)未分類 |

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 食のWS 抜粋:

コメント

ACOさん、この記事を是非PDFファイルにして配布していただけませんでしょうか?すごくためになります!で、食卓の旦那さんが座るところの目の前においておきたいです。・・いや、おいらの食バイブルの一つにさせていただきたいです。

投稿: ettoo | 2006/05/21 11:15:52

ettooさん、どわっ! 光栄なコメントありがとうございます。
WS関係はその時に有料参加していただいた人達もいるので、どの程度の時間経過、どの程度の抜粋でblogネタにするべきか悩むところです。
おまけに時間が経過すると・・・講義した本人の食生活すら変わってしまいます。
自分が多重人格者ではないかと心配になってきました。やばっ。

投稿: ACO | 2006/05/21 13:19:01

バリに行ったらローフード生活始めます!

投稿: @ヨガ | 2006/05/22 8:37:13

@ヨガさん、結婚祝いにと発注した 新郎新婦のネーム入り イワタニのカセットコンロ、大急ぎでキャンセルいれました。

投稿: ACO | 2006/05/22 14:24:28

いまさらですがやっと読みました。
富山で栄養指導の仕事を始めたんですが、
幅広くとらえてとても勉強になります。

そして、ACO先生がこころがけているあたりのところ、共感します☆
ACO先生やっぱり素敵ですね!

投稿: かめみ | 2007/10/25 16:21:18

「きゃ」が富山に帰って「か」になった、かめみサン、
こんな過去ブログまでアリガトーございます。
mixi日記読みました。既に懐かしく寂しくウルウル。
栄養指導の仕事、決まったんですね。
かっちょいいな☆ 応援してます!

投稿: ACO | 2007/10/25 17:51:48

すんばらし~~~!
内容深いから、プリントアウトして、じっくり読みますです!

投稿: あっちゃん | 2009/02/24 6:29:06

ACOさ~ん。
すごく、勉強になりました

投稿: りゆ | 2010/12/26 0:40:38

この記事へのコメントは終了しました。